由加の鬼塚
@民話の舞台となった場所:由加 稗田
A民話の謎:怪奇度抜群の冒険ものがたりですが、鬼塚には本当に鬼の首が埋まっているのでしょうか?
B「あらすじ」:今から千二百年ほど昔、児島の由加山に、阿久良王という鬼がいた。東郷太郎、加茂二郎、稗田三郎の三人を家来として、里に出ては人を食ったり、物を取ったり、あばれまわって里人を大変困らせていた。このことが、桓武天皇のお耳に聞こえ、天皇は坂上田村麻呂将軍に鬼退治をお命じになった。由加山が見えはじめた時、鬼の子(稗田三郎)が現れ戦いになったが、稗田三郎は降参し、将軍の家来になった。このことを聞いた阿久良王は、火のように怒って、東郷太郎、加茂二郎の二人を連れ、将軍にむかって攻めてきた。鬼の勢いは強く、なかなか鬼を倒すことができない。将軍は、鬼がよいつぶれた時を見計らって、退治した。 そして、その首を「鬼塚」へ葬った。鬼は改心し、以後七十五匹の白狐となり、世のため人のためにつくすこととなり、下界の各地へ降りていったということである。
Q坂上田村麻呂が本当に児島に来たのですか?
A史実ではありませんが、児島の人が信じて語り継いできたので尊重しましょう。坂上田村麻呂は清水寺(本尊 十一面千手観音)を建立し、観音信仰の保護者とも言えます。由加山蓮台寺(本尊 十一面観音)も観音霊場(中国三十三観音霊場 第六番札所)ですのでふさわしいと言えるでしょう
Q:鬼塚はどこにあるのですか?
A:案内板はありますが、現地は密林化、地すべりなどで行きにくくなっています。GPSで位置は確かめられます。
Q:本当に鬼の首が埋まっているのですか?
A:積石塚であったようです。墳丘であったか方形の基壇であったか、よくわかりませんが全て盗掘され、積石は全て崩され、大穴があいています。仏教関係の遺物があったのではないでしょうか?