金の龍と青い龍
@民話の舞台となった場所:竜王山、大槌島
A民話の謎:児島の山から水晶がとれるのでしょうか。備讃瀬戸で漁師の網にかかる不思議な骨は「竜の骨」なのでしょうか。
B「あらすじ」:昔々、竜王山に住んでいた青い竜が、たびたび児島の村々を 荒らし回ったので、村の人々は、東の大槌島の神に助けを求めた。金の槌をもつ大槌島の神は、金の竜に変身し青い竜と瀬戸内海上で激しい戦いとなった。風雲が渦巻き雷光は空中を走り、大嵐の中、火を吹き、水をはなち、尾は水面を打ち、戦ったが、金の竜はじりじりと追いつめられ、島にかくれた。いきおいを得た青い竜は、島を十重二十重にぐるぐる巻き、締めつけた。突然、島がぐんぐん膨張し、ついに爆発して、青い竜は、バラバラになって飛び散って行った。 青い竜の目玉は、竜王山に当たって砕け、水晶となり、今でも時々みつけることが出来る。 又、竜の体は、島々となったり、骨は海中から引き上げられ、下津井の漁師さんなどこれを削って薬としたそうである。又、大槌島には金の槌がどこかにあるということである。
Q:児島で水晶が採れるのですか?
A:商品にするほどではありませんが採れます。竜王山、仙髄山、王子が岳の山頂(標高200m付近)を歩きながら目を凝らしてみると水晶が発見できます。昔は水晶を拾いに山に登った子も多いと思います。王子が岳の遠足で大きな紫水晶を拾う子供もいました。鷲羽山スカイラインの建設中にも大水晶が発見されました。仙隨山の麓(田の口)では筍のように密生した紫水晶の大水晶が掘り出されます。ドラゴンのブルーアイが飛び散ったものと想像すると面白いですね。
Q:竜王山や大槌島には龍の伝説があるのですか?
A:竜王山は名前から言って雨乞い山、龍は雷雨を伴ってやってくるので、龍の伝説は不思議ではありません。竜王山頂で火を焚くと煙が天に向かって伸び、龍が天に昇る姿に見えるかもしれません。大槌島には興味深い大蛇伝説があります。加地(藤戸海峡を馬で渡ったという佐々木氏の子孫)という侍がその大蛇を退治したという英雄伝説もあります。地元の神社には大蛇の顎の骨(サメの大顎かもしれません)と伝わるものが残っています。