船幽霊
@民話の舞台となった場所:水島灘、柄杓島、杓島
A民話の謎:児島っ子が子どもの時に聞かされるこわい怪談です。今でも夜の海に小舟でこぎ出すのはこわいですよね。
B「あらすじ」:帆船時代の水島灘は、内海でも屈指の難所であった。その水島灘に小さな四つの無人島があり、灘の四つ子島と呼ばれていた。ここはその昔、源平の古戦場で、時折武士の亡霊がでるのであった。それは、「杓をかせ、杓をかせ。」と言うもの悲しい海中からの声にあやつられて杓をかすと、たちまち杓をもつ細い手が何千、何百とふえ、船はまもなく水浸しになって水島灘の底深く消えてしまうという。こうしたことからだれ言うとなく「柄杓島の船幽霊」と船頭衆はおそれおののいたそうです。現在、水島灘に出入りする国内線、外国船にとっては、船幽霊の話はこっけいであろうが、やはりあの四つ子島あたりは水島灘の難所としていつまでも伝説を思い出させる場所でしょう。
Q:柄杓島の海域はなぜ恐れられているのでしょうか?
A:確かに源平合戦の古戦場ですが、広い水島灘に突然暗礁が現れる海域で元々難所です。また高梁川の真水が大量に流れ込み、船の浮力を奪うのだという人もいます。